目覚め

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おばさんが担当医に聞いたときハッと我に返った 俺も、おばさんも答えに息を飲む 「はっきりと戻るとはいえません。すぐ戻る人もいれば、戻らない人もいますから。」 医師の答えは曖昧だった。 「記憶が戻らなくても、まわりの皆さんは理香さんのことを支えてあげてください。一番戸惑っているのは本人なんですから。」 話を聞いた後の俺の心は複雑だった。 『記憶が一生戻らないかもしれない』 そんな考えしか浮かばない。 戻る可能性だってあるのに、もし戻らなかったら・・・と、どうしてもマイナス思考になってしまうのだ。 「ねえ、旭くん。」 いつの間にか病室に戻っていた俺とおばさん。 おばさんは、眠っている理香と、その隣で寝ている何も知らない翼の頭をなで、布団をかけなおしながら俺に言った    
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