11.別れ

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次の日…。 おれは朝、目覚ましで起き、バイトへ向かった。 ミキの為にガンバらなきゃ。 そう心に言い聞かせながら、バイトをこなした。 レストランでのバイトではなく、掛け持ちしていた工場での仕事だった。 運命の時が迫っていることに、気付くはずもなく、おれは必死に働いた…。 そして夕方…。バイトが終わり、疲れ果てたおれはケータイを開け、ミキにメールをした。 <今終わったょ♪> 着替えていると、ミキからの返事がきた。 <お疲れ様☆〃噴水の所で待ってるね♪> <わかったょ♪> メールを返したおれは、寒い中、ミキを待たせる訳にはいかないと思い、急いで噴水へ向かった…。 あの…思い出の噴水へ…。 昨日買ったペアリングを持ち、走って噴水へ向かうおれ…。 ミキに早く会いたかった。疲れを忘れさせてくれるミキ…。 笑顔が早く見たかった。 その一心でおれは走った。 (ピーポーピーポー…!) すると前から救急車が走って来たー。 噴水へ向かうおれの隣を、救急車は走りぬけていった…。 おれはうしろを少し振り返った。救急車は渋谷の一本道を走っていった。 その時のおれは気にも止めなかった…。 そしておれは噴水に着いた…。 辺りは騒然としていた…。 噴水のすぐに近くの交差点で、事故が起こったみたいだった。 パトカーと白バイが交差点の隅を囲み、そこには歩道に突き抜けているトラックがあった。 フロントは軽くへこんでいた。 おれは、まさか…と思い、そこに走った。 警察官の止まれという声を無視し、テープで囲まれた所へ入った。 そこにはまだ血が残っていた…。 そしておれの足下にはケータイが落ちていた…。 少し離れた所には、ちぎれた鍵のストラップが落ちていた…。 ミキ…? おれの手からはペアリングの箱が抜け落ちた。 おれはなにがなんだかわからなくなり、呆然としていた…。 そしておれはその場に膝をつき、座りこんだ。 ふと我に帰ったおれは、ペアリングと、ミキの鍵のストラップを持ち、病院へと走った…。 無我夢中で走った。 なにかの間違いであってほしい。 なによりも、これが事実だとしたら… 受け入れたくなかった。
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