11.別れ

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次の日…。 おれは起きた。 昨日の事はまだ信じれずにいた…。 そして数時間後。 おれはミキのお葬式に来ていた…。 真ん中にはミキの笑っている写真が飾ってあった…。 おれは…どうすればいいんだ……? ふと見ると、マサヒコ達が泣いていた…。 それを見たおれは思った。 そっか…。 簡単な事なんだ。 泣けばいいんだ…。 おれはその時初めて泣いた…。 ミキの変わり果てた姿を見た…。 今までのことが一瞬にして蘇った。 ミキに初めて会った時… カラオケ… 付き合った日… 初めて1つになった日… 笑い合った毎日… お腹の中にいた赤ちゃんの事… 全てを思い出し、おれは声を出して泣いた。 そしておれは後悔した…。 もしも旅なんかに来ていなかったら… もし、出会っていなかったら… 噴水で待ち合わせしていなければ… ミキは… ミキの人生は続いていたかもしれない。 おれは自分を責めた…。 おれはミキのお母さんの所へ行った。 「…おれの…おれのせいです…!!本当に…ごめんなさい…!!」 おれは泣きながら土下座を繰り返した。 ミキのお母さんは涙を流しながらおれの肩に手をおいた。 「…遊くんのせいじゃないょ。遊くんと付き合ってからのミキは…すごく幸せそうだった。ミキの事を想っててくれて、本当にありがとうね…。」 ミキのお母さんの言葉はおれの心に焼き付いた。 そして涙が溢れた…。 そう…この日おれは、ミキのいない世界へと1人、旅立ったんだ…。 おれの手には、ミキの鍵のストラップがあった。 おれはその鍵を握り、ミキという名の世界の、鍵のかかっているドアを開け、ミキの居ない新たな世界へ… 1人、旅立つ事を決めた…。 ミキのことは絶対に忘れない…。 ミキ…。聞こえてる…? おれは旅立つょ。 ミキのいない世界へーー。 ミキ…。 愛してる… 今でもずっと……。
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