不思議の国

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『ふわぁ…』 今日もいい天気だ 俺はいつものように窓際の席でウトウトしている 夢の世界まで、もう少しだ だけど、こういう気持ちいい時間程すぐに終わりを告げる 「あら?アリスちゃんはお眠な時間ですか~??」 「眠っちゃったら、不思議の国の夢を見ちゃいますよぉ?」 ほら いい時間程長くは続かない 『……』ガタン 俺は鞄を持って立ち上がる 「お、白兎でも見つけたか?」 「やめろよ!」 「また学級委員長かよ」 「リディもすぐ帰ろうとするなよ」 うざいの二人に怒鳴るのは、俺の幼なじみであり学級委員長の菅原洸(すがわらあきら) 『特にいたいと思わない空間にいてもな』 「またそんなこと言って!単位、やばいんだろ?」 『…どうだっていいよ』 「よくないってば!」 あぁ…うるさい 今の俺にとって、周りは雑音でしかなかった 「アリスが怒られてやんの」 『っその名を呼ぶな!!』 思わず怒鳴り付ける その呼び方はしゃくにさわる 誰に呼ばれても、気持ち悪さしかこみあがらない 俺は、その名が嫌いだ
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