100人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
『そんな…寂しいこと、言うなよ』
「やはり、キミはそう言うのだな」
寂し気な瞳で笑われた
分かったと言われないところを見ると、考えを改める気はないらしい
「まぁ、何にしろ…だ!お前は特に無防備でいるのは駄目だからな!!」
『何でだよ?』
「“アリス”はルールのようなものだ」
『それが?』
「ルールを破ることで、役を得ようとする者もいる」
「“掟破り”って役をね…」
「だから、“アリス”が安全って保障はどこにもねぇんだ」
「現に何度か狙われたけどねぇ」
「まぁ、私達がそう簡単にキミを傷付けさせはしないさ」
…今更かもしれないが…俺は、本当に物騒なところに来てしまったようだ
生きていけるか、心配になった
「暗い話をしてしまったね。菓子でも食べて落ち着こうか」
それからは、普通にのんびりした時間だった
それでも、確実に俺の中に何かを残した
.
最初のコメントを投稿しよう!