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会った時……
結局、こいつは何も重要なことは話してくれない
それは、“時計屋”だからか…そうではないのか……
「ほら、もう少しで着くよ」
真っ赤な城が見えてきた
真っ赤な大きな城…
何故か胸騒ぎを覚えた
『また、俺一人で行くのか?』
「何、寂しいの?」
『そういうワケじゃないけど…』
俺は無意識に後ろに垂らしたみつあみを前に持ってきていじっていた
「……大丈夫だって」
ぽんと、今の俺にとっては大きく感じる手が、頭に乗ってきた
「お前に何かあったら、俺がすぐに向かってやるから」
そのまま、軽く頭を叩くフェイスの手
えらく安心させた
「まぁ、白兎がいるから…俺の出番はないかもしれないけどな」
そう口を尖らせて言うフェイスを見て、俺は思わず笑ってしまった
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