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えっと……本当にここでいいんだよな?
そう疑いたくなるような場所だ
遠くから見れば、赤い城
近くから見れば、変に青が混ざった城
……正直、白が全くと言っていい程見当たらず、かなり目に悪い
「貴様、何者だ?!」
ガチャンと目の前でクロスする大振りな刀
いわずもがな、この城の門番だ
…セイとライのように、突然攻撃してくる奴らじゃなくてよかった
「ここへ何の用だ?!」
………用事、ねぇ
フェイスにここに来れば、大丈夫だとは言われたけど…
こいつら、俺の顔を見ても無反応なんですけど!
「答えられぬのか!」
「怪しい奴め!」
そう言って、刀の切っ先を俺に向ける
どうしてこうも、この世界は短気な奴ばかりなんだ!
『あ、いや…その……』
変に慣れてしまって、恐怖を感じない自分もどうなんだ…
なんだか、自分が自分で怖いぞ
「お前ら、どうしたんだ?」
「隊長!」
「怪しい奴が!」
そこに現れたのは、赤と黒の軍服みたいなのを着た、今まで会った誰よりも背の高い明るい茶髪の青年だった
背の高いと言っても、猫背で前髪も長く、お世辞にもかっこよくはなかった
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