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あの気持ち悪さが抜けない
まるで、どこかに引きずり込まれるかのように纏わり付いて離れない
シャワーを浴びても、ベッドに入っても…
『……くそっ』
「アリス、見つけましたよ」
『誰だ?!』バッ
今回は、はっきりと声が聞こえた
しかし、ここは俺の部屋
この家には俺しかいないのに俺以外の人間がいるはずない
そう、“人間”は…
『兎…?』
そう
今、目の前には小さな白い兎がいた
『…どっかから逃げてきたのか?』
このマンションは、兎くらいなら飼える
きっと、帰ってきた時に一緒に紛れ込んでしまったのだろう
『…ったく』
少し考えたのち、管理人のとこへ持っていこうと思って近付いた
「アリス、僕ですよ」
『……』
見てしまった
見てはいけないものを見てしまった
今、確かにこの兎の口が動いて言葉を発したのだ
俺は固まる
そして、考える
考える…考える……
『疲れてるのかな?俺』
そんな答えしか出てこなかった
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