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『それは、すみませんねぇ…“エース”』
コツンと互いの拳を軽くぶつけ合う
まぁ…現実、久々なんだから仕方ねぇけど、懐かしい
「おかえり、“アリス”」
『ただいま』
「うぅ…」
『エース?』
肩を震わせ、俯いてしまったエースの顔を覗き込む
…前髪のせいで、全く顔を伺えなかったけど
「“アリス”ゥウゥゥ~!」ガバッ
『ぬわっ』
しばらく様子を伺っていると、エースはいきなり抱き着いてきた
しかも、泣いているようだ
ってか…
『痛いっ!』
馬鹿力でここぞとばかりに、絞めてくる
骨から軽くミシミシと音がする
それでも、この男は泣きながら抱きしめるばかりで俺の叫びを聞かない
「た、隊長!そのままでは“アリス”様が死んでしまいます」
「うわぁぁん、“アリス”ゥウゥゥ」
…聞く耳持たねぇ
ってか…真面目に死ぬ
『エース…分かった、から』
朦朧とする意識の中で、軽くエースの頭を叩く
すると、エースはぴたりと泣き止み俺を見た
「うわぁ、ごめんよ“アリス”!」
そう言って次は肩をおもいっきり振ってきた
…舌噛んじまったじゃねぇか!!
しかも、首も痛い
「隊長、何やってんですか」ドカッ
…エースの顔を見ると、見事に棒状の物が脳天に振り落とされていた
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