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門番の二人は俺の斜め後ろにいる上、特にこれといって何かをしているワケではない
「隊長は馬鹿力の上に、手加減できないんですから…本当にその人、死んじゃいますよ」
「お前も手加減しないじゃないか!」
「そんなもん、必要なんですか?隊長相手に。それに、鞘から抜かなかっただけいいと思ってください」
ぽかんと面喰らったように二人のやりとりを見ていると、エースの後ろから俺と同じような年齢に見える少年が出てきた
その少年は、日本刀よりは幾分も細い刀を鞘に刺したまま、それを肩に担いでいた
というか…誰かに似ている
誰だったか…
『そうだ…洸だ』
薄れていく向こうの世界の記憶の中で、今だに覚えている
そう、その少年は洸にそっくりなんだ
「ところで…この方は?」
「お前、まだ“アリス”と会ったことなかったか?」
「え?!この人が“アリス”なんですか?!」
かなり驚かれた
この世界…国に来て、初めてのことだ
『…役持ち、だよな?』
何となく、分かる
この少年はエースと同じ、役持ちだと…
「はい、僕は騎士の隊長の下につく、騎士見習いの役を持ってます!」
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