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……また、何とも言えない役だな
それにしても…こいつの名前が分からない
他のやつらは、自然と名前が出てきたのに…
「そういや、“アリス”も見習いのこと知らなかったか?」
『知ら、ない…っ』ズキン
その時、頭に鈍い痛みが走った
《アリス…お前は、俺のものだ》
『………っ?!』
今のは…何だ?
見えたのは、闇と…不気味に笑う男の口元
…気持ち悪い
いや……怖い
「ん?“アリス”、どうかしたのか??」
「もしかして、僕がさっき失礼なことを…っ」
『いや…』
頭痛は…すぐにひいたようだ
だけど、確かに残る気持ち悪さ
「“アリス”様、具合でも悪いのですか?!」
『大丈夫だから…』
あいつは…きっと、“ルール破り”だ
「大丈夫なら、いいけど…無理しなさんなや」
『ありがと。それと…俺に“様”はいらない』
…今は気にしないでおこう
気にするだけ…無駄なような気がする
「…昔と同じことを言うんだな」
「“アリス”は、話通りこの国の誰とも違う感性を持っているのですね」
やっぱり、ここにいた頃の俺もそういう扱いは嫌ったらしい
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