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『遊園地…?』
「そう。残りの役持ちが揃ってるよ」
『確か…海亀フウの老夫婦と芋虫シスターズだっけか?』
俺は確認するようにフェイスを見遣る
フェイスもまだ納得はしていないようだが、答えてはくれた
「あとグリスのおっさんもな」
『グリスも?』
「一応、あそこのオーナーだからな」
『……なんか意外だ』
「だよな」
まだぎこちないながらも笑みを浮かべるフェイス
よし、とりあえずは険悪なムードは払拭されたようだ
本当にアリスの存在が怖くなるよ
『それじゃ、早速行くか』
「…………」
フェイスは無言で俺を見ていた
多分、さっきの今だ
心配してくれてるんだと思う
『だーいじょーぶだって!』
俺は出来るだけ明るく笑ってフェイスの肩を叩いた
それから、バロンの方を向いて挨拶をした
『んじゃ、行ってくんな~』
「行ってらっしゃい」
『ほら、フェイス!ぶーたれないで行くぞ』
「ぶーたれてねぇし?!ってか、分かったから押すな!」
そうやって俺とフェイスはその部屋から出て行った
「確かに…以前のアリスとはどこか違うみたいですね」
そう呟いたバロンの声を聞いた者はいなかった
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