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チェシャ猫は私と向かい合わせの椅子に座りカップに紅茶を淹れた。
良い香りがした。
「アップルティーです。ケーキは紅茶のシフォンケーキでございます。」
「ありがとうチェシャ猫さん。すごく美味しそう。」
「呼び捨てで構いませんよ。アリス様」
「じゃあ…チェシャ猫だと言いにくいからチェシって呼ぶね。チェシも私の事呼び捨てでいいよ」
そう言うとチェシャ猫は驚いた顔をして、動きが止まった。
「あの、チェシって嫌だった?」
「いいえ、昔と同じ事をおっしゃるので驚いただけです。申し訳ありません。では、アリスと呼ばせていただきます」
私はにっこり笑い、ケーキを一口食べた。すごく美味しくて、どこか懐かしい味がした。
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