希望と闇

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その言葉を最後に、長い沈黙が続いた。 「良いだろう。ただし、条件をクリアできない場合、どうなるか分かっているんだろうな。」 週末、掲示板に一枚の紙が貼られた。 ――野球部の活動を認める―― ただし、サッカー部は認められなかった。上層部の言い訳はこうだ、地区予選さえ勝ち進めない。他の抗議していた部活も、同じ理由で認められなかった。 さらに、サッカー部にはもう一つ、追加された。責任者不在。 そう、監督は隆寺―――― 彼は、自らの手で育てた選手を見捨てたのだ。 しかし、野球部も活動は長くて夏まで。 甲子園。近くて遠い夢を追いながら、今日も練習に明け暮れる。一年生は居らず、三年生は受験の名目で参加は認められない。十数名の部員だけで勝ち進めるほど、夏はそう甘くない。
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