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ふと隣を見れば、優等生という言葉がよく似合い毎時間丁寧にノートを写し、真面目に授業を受けているはずの南都がコクリコクリと船をこいでいた。
…珍しいこともあるもんだな。
「…南都」
俺は親切心から南都にしか聞こえないくらいの小声で声をかけつつ、そっと肩を揺らす。
少しするとハッと顔を上げて瞬きを繰り返すと状況を理解できなかったのかキョトンとした表情で俺を見て首を傾げている。
「寝そうになってんじゃんか」
「えっ!嘘!ごめん。起こしてくれてありがとう」
やっと理解できたのと寝ているところを見られた恥ずかしさからか照れたような表情を見せてから再び黒板に目を向け、ノートにペンを走らせる。
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