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蓮はそっと相手を抱き上げて膝の上に相手を乗せるように椅子に座った。 その間も紅羽は、ただギュッと抱きついて離れなかった。 端から見れば、大の大人がオロオロして視線をさ迷わせている姿は実に笑える事だろう。 それほど、惚れた弱味か蓮も紅羽の涙には弱いと言うことだった。 ただ、自分の胸に顔を埋めたままの紅羽に頭を撫でる事しか出来なかった。 「…」 すると、紅羽が何か言ったのかボソボソと話す言葉は聞き取れなかった。
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