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ザワザワと騒がしい廊下を歩き、目的地であり自分のクラスでもある「2-A」の扉を開けて中を見回す。
「よう!紅羽、また昼登校か?」
俺の机に座って手を振っているスラリとした体格の男、三城鷹史。俺のクラスメイトでもあり、親友の一人だ。いかにも明るく元気ハツラツとした表情をしている。
「おはよう、紅羽。また体調よくなかったの?」
そして、俺の後ろの席に座る鷹史の幼馴染みであり、もう一人の親友の香坂南都。眼鏡をかけ大人しく人のよい雰囲気が穏やかな声と口調からにじみ出ている。
そんな対称的な2人が俺の唯一心を許せる親友だ。
「それより腹減った。飯食おうぜ」
2人に近づくと机の横に鞄をかけながら小さくお腹が鳴るのが聞こえると売店へ行くべく財布を取り出す。
すると2人が顔を合わせてから何か裏があるような顔を向けてくる。
「…な、何だよ」
まさか、お腹の音を聞かれたのかと少し恥ずかしく思いつつ、隠し事をされていることにムッとしつつ問いかけると…
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