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両想いなのにそれが相手には伝えられない自分のもどかしさ。それはよくわかるし、伝えられないことに落ち込むこともある。
だから、俺が言えることは1つだ。
「最後に俺からアドバイス」
頭を優しく撫でながら南都に再び声をかけるとキョトンとした顔で首を傾げている。
「もうちょっと優しく、素直になってみたら?鷹史も喜ぶと思うけど?」
思いもよらない言葉だったらしく、南都は顔を真っ赤にさせると黙ったままうつ向いてしまった。
「やっぱり今日は一緒に帰ろうねって言えば?」
俺が話すたびに顔を真っ赤にして押し黙ってしまう。すると、タイミングよく授業終了のチャイムがなった。
紅羽は立ち上がると南都の背中を後押しするように優しくポンと叩けば勇気が出るように笑顔を見せる。
「頑張れ」
その一言を残して俺は教室から出る。これで、南都と鷹史が1歩進めればいいな。
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