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これはまだ僕が小学校の頃の話。
僕はひいおばあちゃんをおばあちゃんって呼んでた。
僕のおばあちゃん(ひいおばあちゃん)は、93歳の自慢できるおばあちゃんだった。
でも、歳のせいか病院に入院していた。
その日は、おばあちゃんのお見舞いで埼玉から神奈川まで来ていた。
そして、お見舞いに行く直前に『永吉』(兄ちゃん仮名)と些細な事で喧嘩した。
「お前は、橋の下で拾われたんだよ」
永吉の何気なく言った嘘の言葉に僕は、悲しくなって泣いてしまった。
「永吉の馬鹿!!」
僕はそう言って、他の部屋に走った…。
十数分後にお父さんが、部屋に来て
「もうお見舞いに行くから支度しろ」
って言ってきた
僕はいじけて
「行かない!!」
とだけ言った。
お父さん達は最後まで、早くしろって言ってた。
でも僕は永吉が謝ってこない事に腹を立て、黙っていた。
少しして車のエンジン音がして、やがて聞こえなくなった。
(僕は悪くないのに…!!)
そう思い、膝を抱えていると涙が出てきた
数時間後、お見舞いが終わって皆、戻ってきた。
お父さんは大叔父さんに挨拶して、
「もう帰るぞ」
って言った。
帰りの車内で永吉が、
「もうおばあちゃんと会えないかもね-」
と、ふざけて言ってきたんだ。
僕はムカついたけど、黙ってた。
そうしたらお父さんは、
「縁起でもないこと言うんじゃない!!」
そう言って永吉を叱ってた。
(怒られてやんの)
僕は心の中で笑ってた。
「でも、たく(僕の愛称仮名)。おばあちゃん寂しがってたぞ?」
「お前はひ孫の中でも、一番可愛がってたから」
僕はそれを聞いて悲しくなり、
「うん…」
とだけ返した。
そして心の中で、
(次は絶対行こう)
って思ってた。
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