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神奈川に行った次の日。
僕は友達と、家の前で遊んでた。
しばらく遊んでたら、敬(二番目の兄ちゃん仮名)が出てきた。
「おばあちゃんが死んだって…」
敬はそう言って僕を見てる。
「なに言ってんの?そんなんじゃ騙されないよ-」
僕がそう言うと、
「嘘じゃねーよ。早く家ん中はいれ!!」
って怒鳴られた。
仕方なく友達とさよならをして家に入った。
「お母さん…。おばあちゃんが死んだって本当?」
僕は半信半疑ながらもお母さんに聞いてみた。
「うん…」
お母さんはそれだけ言うと、電話を掛け始めた。
僕はその場にいながらも、話し声なんて聞こえなかった。
そして隣にいた、永吉に殴りかかった。
「お前が会えなくなるなんて言うから、おばあちゃんが死んじゃったじゃないか!!」
僕は叫びながら殴った。
でも力で勝てるはずも無く、逆に殴られた。
痛みとショックで僕は、泣きじゃくった。
夜になって皆での話が始まった。
「葬式と通夜にも出ないといけないし、たく達は、学校休まないとな…」
僕はお父さんの言葉に喜んだ。
(学校が休める!!)
いま思うと最低だった。
大好きだったおばあちゃんが亡くなったのに、たかが学校を休めるくらいで喜ぶなんて…。
その日の話が終わって直ぐに僕は寝た。
お葬式は身内だけのものだった。
白い箱に入ったおばあちゃんは眠ってるみたいだった。
一人ずつ、花を中に入れ手を合わせた。
不思議と涙は出なかったんだ。
ただ、心の中にポッカリと穴が出来たようだった。
やがて、おばあちゃんは火葬場に運ばれて行った。
火葬場には大人しか行けないらしく、僕や他の子供たちはおばあちゃんの家で待っていた。
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