8. おまけ

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「コイツは、後藤淳平。大阪に住んでた頃からの、幼馴染みやねん」 初めまして、と声をかけたけど、かるーく無視された。 というか、さっきからずっと睨まれてる気がする。 「なんか東京の大学に進学したいらしくてさ。親戚の家に居候してんねん」 しかも、家が結構近所でやぁ。 偶然って凄いなぁ。 …ホントに偶然か?という疑問は、敢えて飲み込んだ。 「で、この人が俺の通てる高校の先輩で、村上健志」 後藤くんは、俺を上から下まで舐め回すように見て、一言。 「…コイツが秀介の付き合うてる男か?」 「おまっ、なに言うねん!いきなり」 「そうなんやろ?」 詰め寄る後藤くんに観念したのか、秀介はコクリと頷いた。 瞬間。後藤くんは秀介に聞こえない位小さく、「チッ」と舌打ち。 (…恐い) それから、ズンズンと俺に近寄ってきて、耳元でこう囁いた。 「秀介は俺のや!絶対にアンタから取り戻してみせるからなっ」 嗚呼、一難去ってまた一難。 さっきとは別人のような笑顔で秀介に笑いかける後藤くんを見て、大きく溜息を吐いた。 恋愛に障害は付き物。 ようは、それをどう楽しめるかだと、俺は思う。 (まっ、いっか) 俺達の日々は、まだまだ続いていく。 end .
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