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「はぁ?!海ぃ?って、こっからどんだけ距離ある思てんねん!」
アホちゃうか…。
心底呆れてます、みたいな口調で言う秀介が可笑しくて、俺はコッソリ笑ってしまった。
「おいっ、なに笑とんねん!」
「あ、…ごめん」
結局は、バレて怒られちゃたけど。
「確かに、だいぶ距離あるけどさぁ」
晴渡る蒼空の下、気持ちのいい風に吹かれながら、俺は大声を上げる。
「どうしても海じゃなきゃ駄目なんだ」
「 …… 」
秀介は、なにも答えてくれなかった。
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