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その声の主は、一直線に秀介の元まで走って来て、そのままガバッ、という音が聞こえそうな勢いで、秀介に抱き付いた。
「じゅ、淳平!?なんなん、急に」
「帰ってくんの遅かったから、心配しててん」
未だ秀介に抱き付いている彼 ‐淳平、くん?‐は、なんだか終始嬉しそう。
一体、彼は秀介とどういう関係なんだろう。
「…秀介」
俺は、後ろから秀介の肩を叩いて、問うた。
「その子、誰?」
「え?あっ、あぁそうか。健志はまだ会うた事無かったっけ」
ごめんごめん、紹介するわ。
と言うと、ずっと抱き付いてた淳平くんに「お前っ、いつまで抱き付いてんねん!ええ加減離れろや!」と怒鳴りつけ、頭をペシンっとはたいた。
(…うーん、なんかなぁ)
2人のやり取りは、決して羨ましいものではないけれど。
(ちょっと、嫉妬?)
仲良さそうな所を見ると、秀介じゃないけど少し、不安になる。
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