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街は車の行き交う喧騒と、鮮やかなネオンに埋め尽くされている。
この街に休みはない。一日中明るく、すべての闇を揉み消す。
おれの心の闇も一緒に揉み消してもらいたいくらいだ。
生きることに疲れていても今日を生きる。かといって死ぬわけにもいかないので仕方なく明日も生きる。その繰り返し。真剣に愛したひとを失った穴は、少しの休息も与えずに、じわじわとおれを渇かしてゆく。
無性に叫びたくなるときがある。全てを否定し、壊したくなる。しかし、何も壊れていない。壊すのが怖い。
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