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深夜1時・・・。
石神井公園は騒然としていた。
そこには血で染まった若い女性が横たわっていた。
この時間、公園の周りは普段ネズミの足音すら聞こえないほどの閑静な住宅街であるが・・・
騒々しいサイレンの音に、野次馬達がぞろぞろ集まっていた。
近くの高層マンションからはそのほとんどが窓を空けて、様子を伺った。
被害者は白のダウンジャケットを羽織っていた。しかしその下は長袖のポロシャツにジーンズ。靴もスニーカーと実にリラックスした服装だった。
自宅から誰かに呼び出されたのか・・・
しかし争った痕跡は見当たらない・・・。
「久米警部、被害者の身元が解りました!」
「ああ、何が見つかったか鶴さん」
鶴川忠夫。通称鶴さんは刑事歴35年のベテランデカ。
「はい、こんな物がガイ者のポケットに…」
それは結婚式の招待状だった。そこには被害者宛と見られる名前が書かれてある…。
「佐々木広子様…か。
しかし、本人の物で間違いないと言切れるか鶴さん」
「いや…そう言われてみれば…しかし他に手掛かりになる様な物はありません」
「とにかく、まずその女性かどうか、調べてみよう」
「了解です」
「それにしても・・・何故招待状を・・・」
そう呟きながら
もう一度被害者の髪をゆっくりかき上げた久米…
左側の額は血で染まっていた・・・・
どうやら、この部分を何か硬い物で殴られたのか・・・・
「ん、何だこれは…?」
耳の裏側に、キラリと光る小さな発光剤の様なものが・・・
「鶴さん、悪いがこれが何か調べてくれないか…」
「はあ…了解しました。しかし何でしょうかね~」
被害者は深田恭子似の肌の白い綺麗な女性だった…
それにしてもいったい…何があったのか…
二人はその裏側の部分を考えずにいられなかった…。
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