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『…陽菜、なんで体調悪いこと言わなかった?』
うわッ!ヤバい…これは……ちょっと危ないかも………。
『えーっと…朝ちょっと 体がダルいぐらいだったし、大丈夫かなぁ、って…おもって』
『…へぇ?…どんくさい陽菜の事だから熱も測らないで そのまま放置したのかな? ん?』
まずいってーーー!
『うッうん』
…ニッコリ
い いやぁぁぁぁぁぁあ!!
怖いッ!!怖いって!!修治サン!!
後ろのオーラがどす黒いよぉ!!
『舐めたマネしてんじゃねーぞ、陽菜。体調に異変があった時は俺に知らせろって言ったよな?』
『…はい 』
『何言い付け破ってんの?…今度破ったらお仕置きって……言わなかったっけ?』ニッコリ
『ご ごめんなさいッ!』
『謝れなんて言ってねぇよ。…とりあえず、家に帰るぞ。お仕置きは…風邪が治った後な?』
『……………(いやぁあぁぁぁぁあ!!)』
ごめんなさぃぃぃぃぃぃぃい!!泣
修治は何かとあたしの躰に敏感だ。あたしが少しでも体調を崩そうものなら、すぐに駆けつけてくる。それもこれも、以前あたしがインフルエンザをただの風邪だと思い、病院に行かずにいたら、悪化して肺炎になってしまったのだ。
それ以来、あたしはちゃっかり修治に体調を管理されている…。
まぁ あたしが悪いんだけどね…。
ーーーーーーーーーーーーーー
あの後、あたしらはタクシーをひろって家に帰った。
住宅街を抜け暗い裏道の先を抜けたところにある 築14年の木造建てのアパート。
そこがあたしの家だ。
外観は今にも崩れそうなぐらいボロいが 中に入ると一変してキズ一つないフローリングの床。
シミひとつない綺麗な壁紙。
12畳ほどのリビング。
対面式のキッチン。
猫足のバスタブ。
などの、期待を裏切る要素がいっぱいのアパートに あたしは住んでいる。
それもこれも このアパートの大家さんがあたしの叔父にあたる人で、洋風趣味の人らしいのだが 1年前に思いきってアパートを建て直そうとしたらしいが、費用がまったく足りなかったらしい…。
それでも諦めきれない叔父は 一室だけでもっ!! と思い、今のあたしの部屋をリホームしたらしい。
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