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『…相変わらず中と外のギャップが激しい家だな…。』
『そう? あたしはもう慣れたけどなぁー。あ 座ってて? 今お茶淹れるし。』
『 そんなのいいから陽菜はさっさと寝ろ。』
『う…はい…。』
反抗でもしたらすぐにキレそうな雰囲気を漂わせた修治をリビングに残して、すぐに寝室に駆け込んだ。
パーカーを脱いでスエットに着替えてベッドに潜りこむ。
疲れていたのかすぐに眠気が襲ってきた。
しばらくして、コンコンッと控えめなノックが聞こえた。
『…どーぞ』
沈みかけていた意識を現実にもどすと、水の入ったコップを片手に修治が入ってきていた。
『 大丈夫か…?』
と尋ねられ うん っと覚醒しきれていない思考で返事を返す。
ん っと風邪薬らしきものを渡され、口に含む。
水でそれを喉の奥に流し込む。冷たい水が喉を通りすぎる感覚に一瞬、眠気が覚める。
『…しばらく寝とけ』
と言った修治が立ち上がった時、急に、わけのわからない不安にかられ、部屋を出て行こうとする修治の服の裾をとっさに掴む。
『…どした?』
驚いたような、でも とても優しい瞳で私をみる。
『…帰るの?』
『いや?…まだ帰んないよ?…どした?もしかして急に寂しくなったとか?笑 』
『…うん』
すると、驚いた目で修治が私を見た。
『…なによ』
『いや…今日はやけに素直だなぁと思って、』
『…悪い?』
『いや全然!!寧ろいつもこれぐらい素直な方が俺はうれしいなぁ』
ニッコリ と嬉しそうに笑う修治をみて、バカ と小さく呟いた。
『…眠るまでそばにいてやるよ』
『…うん』
髪を優しく撫でる感覚を感じながら、暗い闇に 意識を手放した。
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