出会い

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海外からの宅配が届いた。 聞いたこともない地名からの宅配ものだったが、どうやら今回も父からの品らしい。 僕の父は冒険家とかいう、真面目に働く世間の皆さまに頭があがらないような仕事をしている。 けどまぁ幸いその筋では有名らしく、パトロンのおかげでどうにか僕も生活できているわけだ。 で、今回のように冒険先からものを送ってくることがたまにある。家に長期いられない詫びの意味を込めてらしい。 しかし全く残念なことに、もらって嬉しかった記憶など今までに一度もない。 アフリカの少数部族の衣装であったり、よく分からない生物の化石だったり、錆びた剣だったり。世間一般の高校生がもらって喜びを感じるものは皆無だった。 売ればもしかすると金になったのかもしれないが、さすがに親が送ってくれたものを売る気にはなれない。 だから今まで送られたものは全て倉庫にしまってある。年々増え続けて、今は倉庫というより一種の何か怪しい骨董品屋状態だが。 だから今手元にあるこいつも、どうせすぐに倉庫入りになるだろう。 大きさからして水晶玉とかだろうか? いや、それにしては大きい。包みからして、小ぶりのメロンくらいありそうだ。 いつも通り予想がつかない中身を想像してみる。 今まで当たった例しはないのだが、これくらいしか父の贈り物には楽しみがないし。せっかくだから最近は必ず開ける前に予想することにしている。 やはり丸いし、無難に水晶玉とかか。いや、大した重さは感じない。木製の箱かもしれない。 ふぅ、今回もやはりさっぱりだな。 深く考えてみたところで仕方ないので、包みを開けてみることにした。 確か今は北欧にいるんだったっけ。さすがに中国の時のような、見るだけで呪われそうな品は入ってないはずだ。 むしろ見た目の綺麗なものかもしれない。まぁ父からのものだから期待するだけ無駄だとは思うが。 しかし僕の予想は大きく外れた。 呪われそう、なんてもんじゃなかったのだ。 入っていたのはなんと人骨。 しかも、 真っ白い頭蓋骨が丸々一つだった。
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