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夕日の赤い光でその靴は更に赤く輝いてみえた
「ねぇ、その靴…」
目を細めて言った
「わたしのなの…返して」
一瞬の事だった
女性の両脚に激痛が起きる
赤い空に赤い血が吹き上げる
悲鳴はなかった
痛みで麻痺をしてしまったのか…
声が出なかったのか…
充血させて白眼をむく
倒れた女性の前に少女は屈み込む
赤の上に赤を重ねた靴がとても綺麗だった
「わたしの…靴」
コウコツ
恍惚とさせ、少女は微笑む
動かなくなった女性の体を無視したまま、女性の足から靴を取る
笑みはふと止む
それは少女の赤い靴ではなかったから
少女が大事にしていた赤い靴ではない……
「わたしのじゃない…」
違うとわかると少女は苛立ち始めました
目の前に倒れている汚いものにその苛立ちをぶつけようと凶器を振りかざします
ダンっ!ダンダン……ピシャ…
女性の体は柔らかそうにみえて実は柔らかくありませんでした
骨が邪魔で一発で断ち切れません
しかし何度か凶器を肉にぶつけるうちにそれは骨に当たり、削り、神経までも断ち、なんとか切断できました
少女はようやく苛立ちから解放されます
周りには人が相変わらずいません
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