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突然の暴走したトラックが少女を目掛けでぶつかってきたのです
ブレーキの音すらない、ひき逃げでした
人々のざわめき
手から離れるバスケット
タイヤに引きずられ、ミンチな状態になった両膝
あぁ…今日の夜はミンチパイが食べたいわ
と、少女は自分の足を見ながらバカな事を考えていました
血がダラダラと躯の外から出ていく…
その血が混ざって赤い靴に更に赤を塗られる
とても綺麗だと思いました
そして少女は目を綴じると、二度と目を開ける事はありませんでした
*******************
「悲しい話ね」
「まぁそこで終わったらね」
「?」
しかしこの話には続きがありました。
少女が大事にしていた赤い靴を両親は少女の亡骸と一緒にと考えていました
しかしそんなある日、赤い靴を下さいと言ってきた少女が現れたのです
両親は断りました
しかしその少女はその靴を諦めませんでした
少女もその靴がずっとずっと欲しかったのです
しかしあまり在庫がないその靴は、少女が手に入る事はありませんでした
だからその赤い靴の持ち主が亡くなったとどこかで聞きつけた少女はその両親に承諾しにきたのです
しつこいくらい毎日来ました
しかし少女はタダで赤い靴を手に入れるわけではありません
少女は言いました
赤い靴を譲ってくれるのならいくらでも高いお金を出しますと
少女の家は裕福な所でした
それを知ったその両親はすんなりと赤い靴を少女に渡してしまいました
やはり金の力は偉大だ
両親は少し心を痛みましたが、お金がなければ食べていけない
正直今の暮らしはきつかったのです
少女の為に買った靴
あれでかなり生活が苦しくなったのですから
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