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赤靴の少女
女子達の間である妙な噂が流れていた。
それは云わば怪談話のようなもの。都市伝説のような類に含まれていると思う。
「赤靴の少女?」
「そう、美砂知らない?」
「知らない」
首を左右に振ると彼女は語ってくれた、赤靴の少女の噂を―――
とある少女がいました
その少女の家はとても貧しい家でした
しかしそんなある日、少女の誕生日に両親は赤い靴をプレゼントしてくれました
少女には靴がありませんでした
靴も買えぬ程その家は貧しかったのです
しかし両親はプレゼントしてくれました
少女はその靴を大事に大事にしました
気がつけば少女は毎日のように履いていました
これしか靴がないから履いているのかもしれませんが違います
少女は赤い靴を大層気に入ってしまったのです
それは毎日、雨の日も晴れの日も雪の日も、少女は決して赤い靴以外のものを履きませんでした
しかしある晴れた日の事、少女は両親にお遣いを頼まれ、いつもの赤い靴を履いて、手にはバスケットを持って外を出ました。
事故など起こらなそうな陽気な天気に、少女の心はウキウキし、くるくる踊りながら目的地の所へ向かいました。
少女は踊るのが大好き
将来の夢はバレリーナになるのが夢。
少女は軽やかに踊りました
くるくると回りました
それはとても周りの人から見ても楽しそうな光景でした
しかし……悲劇が起こったのです
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