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お好きに決めればよろしい。答えはあってなきもの。千変万化する心という現象の、ただ一瞬を切り取れば無限の色彩でございましょう。
群盲の象を撫でるが如し、とは申しますまい。自らの内の迷宮に惑うは決して愚かな事ではございません。
迷っている自覚があるならば。
迷う理由が、心の無常が故と知ってさえいるならば。
この身の名が決まらぬ所以は、未だ無常の何たるかを知らぬ故。名の無い自由と、形なく力なき様を愉しむためでございます。
もう少し眠らせていただきましょう。醒めれば夢物語をきっと奏でましょう。
宵、未だ明けは遠くにて。
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