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第一章
昔々あるところに…って言ってもあまり昔ではないですが(90年代ぐらい)、亀が一匹おりました。
その亀は人間の言葉がわかりますし話せます。
基本すべての生き物は人間の言葉は理解できています。ただ、話さないか、話せないだけです。
その亀は特殊で人と同じ口の構造をしていて、ずっと浜辺で人間のそばにいたら言葉が理解でき喋れるようになっていました。しかし他の亀はその亀を理解しようとはしません。人間の世界と一緒です。自分達と違う部分があれば中々認められないものです。
「テメーなんで人間なんかと喋れるんだよ!」
「キモーい!」
「おめえが亀なんて他の奴(亀)らが認めても俺は認めねーよ。」
「すごいとは思うけどうらやましくねーよ、調子のんな!アホ」
などと、仲間と思っていた亀からひどい罵声を浴びせられたのです。
そして、幼いころに両親と生き別れになっていたこの亀は仲間と離れ、ついに孤独となったのです。
畜生、畜生、何故なんだ!何故俺がこんなめに…!みんなの事を信用して打ち明けたのに!誰を憎めばいい!?亀か!?人間か!?どうなんだ!誰か教えてくれよ!誰かーーー!God…。
言葉にならない悲鳴が毎晩頭の中で鳴り響く…。
そしてその亀は孤独に生きる事を心に誓った。
(誰も信用できない)
その亀の名は、太郎。
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