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─ある学校の理事長─
「………という仮設があります」
私が話を終えると職員達がざわざわと話はじめる。
致し方あるまい。
私はしばらくその光景を静かに見守っていた。
「理事、やはり派遣すべきではないでしょうか」
一人の職員が私のところへ来て、進言をする。
この質問は予測できたことだ、その返答も用意してある。
「…私もそう考えている。…職員を3人程、調査団として派遣したいのだが」
他の職員もその話に聞き耳を立てていたらしく、直後誰一人無駄口を開かなくなった。
「誰か、腕に覚えのある者は」
静まり返った職員室は物音一つしない。
「理事、一つ提案があります」
メガネをかけた若い男性職員が立ち上がった。
私は頷き、続きを話すよう促した。
「今年入学する一年生に、授業の一環として行わせるのはどうでしょうか」
「おいおい、いくら何でもそれは!」
メガネの職員の発言に対し、がたいの良い男性職員が反論を持ちかけた、様子を見るとしよう。
「ならばあなたがやりますか?」
「!…それは……」
メガネの職員の反論にがたいの良い職員は小さくなってしまう。
無理もないだろう、これは正義だの何だのが通用する問題ではないのだ。
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