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起きてしまった出来事は変わらない…。
自分は、親友と婚約者の命を奪った報いをこれから永遠に受けなくてはならない。
銀月は、そう自分に言い聞かせた。
「…銀月?」
魎月の声で銀月は、意識を引き戻される。
「あ!いや…悪かったな!ヤボ用に付き合わせて!」
銀月が笑いながら言うと、魎月が眉を潜めて銀月を眺めた。
「銀月…」
「んー?何だ?」
「…いや…何でもない」
何かを言いたかった様な様子をしていたが、魎月はそれっきり口を開かなかった。
銀月は、礼を言うと雨月書庫を後にした。
「何か言いたそうにしてたよな…何だ?」
銀月は首を傾げながら、自室に戻った。
部屋は、クローゼットとベッドと…ソファーがあるだけの殺風景な部屋だが、何かを付け足す気になれずそのままにしていた。
「…本かラジオでも置くか…気分転換にもなるだろうし」
銀月は、殺風景な部屋を見てそう思った。
何かをしていないと…気が滅入りそうだったのもあり再び部屋を出た。
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