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そう言うと、銀月は僅かに表情を曇らせ、モノクルに触れた…。
「これは…オレの私物じゃないさ。オレの親友の…形見だ」
そう言って、それを外して、手に取り眺めた。
少し古びてはいるが、なかなかいい品なのは、ガクにも分かった。
何時もと同じなのに、モノクルを外した銀月は、何処か、違った人物の様に見えた。
「親友の…形見…?」
「…ああ、そう言えば、オレの過去は話したか?」
その問いに、ガクは首を横に振る。
銀月は、モノクルを外したままガクを見ると、一瞬、切なそうな目をしてガクをみた。
「以前に…オレが親友と婚約者を殺したとだけは…言ったよな?」
その問いに、ガクは無言で首を縦に振った。
「その報いを受け、オレは死神になったんだ……今日は、もう訪問者は来ないみたいだし、少し昔話を聞かせるかな?アイツとの出会いを…」
銀月は、目を伏せながら話し出した……昔、死神になったばかりの時の…魎月と会った話を…。
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