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その場所は、背の高い本棚が幾つも並び、どの本棚にもギッシリと本が並んでいる。
落ち着いた感じがする場所は…図書館の様な雰囲気が漂っている。
「居るかな?魎月(リョウゲツ)」
柊が部屋の中に進みながら誰かに声をかける。
「…柊か…何だ?」
部屋に静かな声が響くのと同時に奥から青年が出てきた。
白髪に赤い目という異様な風貌に、何処か冷めた態度をした…年齢は20代後半ととれる男だった。
「お休みのところ悪いね。いや、新人を紹介しようと連れてきたんだ…」
「…新人?」
白髪の青年は、やや面倒臭そうに銀月に目を向ける。銀月は慌てて挨拶を交わした。
「初めまして、銀月です」
「魎月だ」
白髪青年こと魎月は、ひどく短い無愛想な自己紹介をすると近くにあった椅子に座る。
「柊さん、この人…」
「ああ…いつもの事だよ…何と言うか、自分のペースを崩さないんだ。けど、心残りを満たせる役割は彼にしか果たせないし…悪い人じゃないさ」
「…心残り?」
銀月は、首を傾げながら呟く。
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