Vol.0

2/2
前へ
/162ページ
次へ
すべてはあの一言から始まった。 「君のお父さんは私が捕えている」 7歳のころから行方が分からなくなったお父さん。 優しく抱きしめてくれたお父さん。 「お父さんに会いたいかい?」 夕陽を背にした男がたずねる。 少女は間髪入れずに頷いた。 「素直な子だな。なら、1000万。僕に渡すんだ」 そうしたらお父さんを返してあげるよ。方法は、もうわからない年ではないだろう? 少女は、頷いた。 中学3年。部活を引退した帰り道のことだ…
/162ページ

最初のコメントを投稿しよう!

243人が本棚に入れています
本棚に追加