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「結構歩いたね」
「ああ」
「でも、楽しかった」
「ああ」
素直な君の言葉が嬉しくて
だけど
同時に恥ずかしくて
簡単な返事しか出来ない自分が
情けないと思った
「もう~!!さっきから“ああ”ばっかり!」
口を尖らせてふくれる君
そんな君さえも
愛しく思う
「ごめんごめん。でも…俺も同じ気持ちだから…さ」
顔が赤くなっているのが
自分でも分かる
元々、俺はそんなに話す方ではないし
女に慣れているわけでもない…むしろ苦手な方だ
そんな俺が
いつしか君に恋をして
今、君は俺の横に入る
この現実が夢のような、くすぐったいような…
フワフワと浮いた感覚…
(…相当、重症だな……俺…)
そんな俺を見て
君はクスクスと笑い声を零す
「フフッ…分かってるよ。……何となく、この手から伝わってくる気がする」
そう言って、
繋がってる手を少し揺らした。
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