5239人が本棚に入れています
本棚に追加
/400ページ
陽たちは信じられないといった様子で話を聞いていた。
二人にとっては、自分たちの弱さを再度確認するようなものだ。
「タツさんが歯がたたない相手なんて今の俺たちには途方もないよ……」
「本当だよな……。っで結局相手のプレイヤーの名前はわかったのか?」
「それが本当にプレイヤーかどうかもわからへん。結構その竜にやられてる人はいるみたいやねんけどな」
ヒロの目には悔しそうな達也が映った。
「まぁ、いずれ見つけて再戦したるわ。次は負けへん」
話をしていると渓谷の出口が見えてきた。
先程のプレイヤー達が狩り尽くしたのか、見事に敵は枯れ、通常よりも早くに渓谷を抜ける事ができた。
渓谷を抜けると平野が広がっていた。
フィールド名はサテン平野。
ラテ草原よりも強い魔獣が徘徊している。
そして目が届く距離に大きく灯った光が見える。
産業都市サンデルカである。
最初のコメントを投稿しよう!