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平野に建てられた街。
産業都市サンデルカ。
街は高く、堅牢な塀で囲われ、魔獣の侵入を防いでいる。
立派に構えられた門には、松明を片手に持った屈強な門番が二人。
側には竜が立ちはだかる。
これもまた大きく、堅そうな鱗にさらに装備を重ねている。
ここの門番を倒し、中に入れる魔獣はそうはいないだろう。
リクレーンは神聖な湖の効力で守られていたが、他の街ではこうやって外敵から街を守る他ない。
陽たちは門番の指示に従い、竜たちを門に入ってすぐ近くの建物に預けた。
竜を一時的に預ける場所だ。
街のルールにもよるが、この街では竜を連れて回ってはいけないのだ。
竜を預けると三人は街を歩き始める。
陽とヒロは視線を世話しなく映し、街の様子に興味を抱いていた。
「うわぁ、リクレーンとは街の様子が全然違うや」
声を弾ませ、陽が呟いた。
サンデルカはリクレーンとは大きく異なった街だ。
あちらこちらから鉄を叩くような音が聞こえ、街の住人はまだ昼間かと思われるほどに街の中を行き交っていた。
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