冬に咲く花の名は

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覚醒する意識の中、ふと時刻を見ると陽は一気に眠気が覚める。 「もう六時!? 十時間も寝てたのか……」 その声に傍でうずくまっていたセラも身を起こした。 「陽、起きたか」 「あっ、セラ。ここまで連れてきてくれたんだね。ありがとう」 「気にするな。それより葵から連絡は来てないのか?」 陽はメールを確認するも何もきていない。 だが来るとすればそろそろのはず。 陽とセラは、喫茶店で葵の連絡を待つことにした。 喫茶店で一時間程過ごした頃、葵から連絡が入った。 どうやら上手くいったようだ。 これからトゥーガへと向かうと言われると、陽はほっと肩を撫で下ろした。 それから更に一時間が経過すると、葵は笑顔のまま喫茶店に現れた。 先に陽が声を掛ける。 「おかえり」 「ただいま。ちゃんと入団できたよ!」
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