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昔々ある所にオージーさん(仮)とおばあさんがいました。
オージーさんはその名の通り異国の地オーストラリア出身の男で、皆からは「オージーさん」と呼ばれていました。
でも誰も本当の名前は知りません。
オージーさんとおばあさんはジェスチャーを交えたりしつつも、それなりに仲良く暮らしていました。
ある日のこと、いつもの様にオージーさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。
おばあさんが川で、「エンジョイ英会話」をラジオで聞きながら洗濯をしていると、川上からビッグなピーチが
'どんぶらこ Don't bull a Co '
とドリフト、つまり流れて来ました。
見たこともない大きな桃を目にしたおばあさんは、たいそう慌てて、その桃に「桃太郎」と若干フライング気味に名付けました。
「動揺していた。そう名付けなければいけないような、衝動的な何かにかられてのとっさの判断だった。今でもベストな判断だったと思う。」
と後におばあさんはやや興奮気味に語ります。
それからおばあさんは、桃を川から引き上げると、大事そうに抱えながら家に持って帰りました。
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