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甘いやつ
[華が咲いた頃]
「わー見て見て 隆!」
彼女は美緒、俺の彼女
「んだよー・・・・」
俺はだるそうに美緒のほうに近付く
「見て見て桜が咲いてるよ!」
「桜ァ?季節はずれだろ・・・・咲くはず・・・・」
今は冬だ、咲くはずがない
「しかも蒼いよー!」
青い・・・・桜?
「・・・・・本当だ」
新種だろうか・・・・でもそんな話聞いたときがない
ここは昔、俺たち二人の秘密基地だった、開発されてしまい、ここに来るのは数年ぶり・・・・
「綺麗ー・・・・」
美緒は木を見つめる
「そーだな・・・・」
不思議だ・・・・不安とか消え去りそうな・・・・そんな感じがしてくる・・・
「隆ー・・・大好き」
美緒がそっと俺にくっつく
「・・・うん」
俺はちょっと頬を染めつつその桜を見つめた・・・・
不思議だ
昔を思い出す・・・・
不思議と・・・・悲しくなかった
「ねぇねぇ隆、またこよーね!」
「おう・・・・」
ああ、またこよう
きっとこの桜は俺たちの記憶や想いを色にして生まれてきた
想い出蒼桜なんだから・・・
END
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