校長の特権

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死神が言葉を発したとともに、振り返りスキルの像を発現させた。 予想外の行動に一瞬反応が遅れた小田。 「タイムショッ……!?」 死神にも予想外の事が起きた。 さっきまで自分のすぐ背後にいた小田が、自分の腕のリーチよりも遠くにいる。 「なっ何故!?」 小田が不適に笑みを浮かべた。 「いきなりなんで焦ったが『ダークエネルギー』の領域だったな」 みるみるうちに小田と死神の距離は離れていく。 「大丈夫だよ死神…『収縮』は起こらない、制御出来るからさ」 距離が離れていくなかで死神は気付いた、離れているのが自分だという事に。 「『ダークエネルギー』とは何なんだ……」 「説明すると長くなるからよしとくよ、さぁ特権を渡すんだ」 「俺は『離れている』んだよな?」 ガシャア!! 死神のスキルの像が窓ガラスを砕いた。 「まさか!?逃げるつもりか…この空間から!!」 小田の読みは正しかった。 死神は『離れる』事を利用して、校長室から脱出した。 校庭に着地した死神は、校長室にいる小田を睨みつけた。 まるでこっちに来いと言わんばかりに。
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