校長の特権

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小刀を持った男は、死神に攻撃する気配はなく、むしろ死神から離れている。 「何故あの男は俺の影から?」 「影からってのは間違いだ死神…俺のスキルでそこから出現しただけだ」 しかし死神が何もされていないワケがない。 実際にスキルが使えなくなっているのだから。 自分の体に異常はないか調べ始めた。 「ッ………俺の右腕に何か刻まれている!!」 自分の記憶を辿る死神。 「小刀を持ったお前か!!」 「死神、その男のスキルは【カースト】といい、『weapon』でその小刀でとある文字を刻み、刻んだ者の能力を封印する能力だ」 死神はどん底に落とされた。 「そんな能力があるなんて…」 震えが止まらない死神。 「さて特権だ…」 死神の服に手をかける小田。 このやりとりは校庭で行われていた。 つまり、『目撃者はいない』という事があるわけがない。 特権の存在を明らかにしてはいけない以上、このやりとりを見ていた者を野放しにしてはいけない。 「ふむ、これが特権」 死神の服の内ポケットから特権を取り出した小田。 「さてゲームの始まりだァ」 小田は不適に笑った。
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