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「そうそう目撃者は……ちゃんと保護しておけよ?」
何か言い忘れた事があるみたいに話す小田。
「目撃者?」
「例えば……」
そう言ってある教室を指さした。
1年A組。
御剣がいるそのクラスは、係決めで賑わっていた。
だが誰もがまともに一度も何処を向かずに、話し合いをするような生徒はいないだろう。
たいてい……自分の係が決まった者は外などを見て暇潰しをする。
しかしその暇潰しがいけなかった。
その生徒は自分が学習委員だと決まり、暇だった。
暇だったから窓から外を眺め、時間を潰す。
その時、ちょうど死神と小田の『特権』のやりとりを目撃した。
ただそれだけ、しかも偶然に。
「御剣ッ!!」
死神がその名を叫び、次に絶望が押し寄せる。
そう、目撃したのは『御剣』。
しかし御剣は自分が指さされた事には気づかない。
(彼には…『スキル』が無いじゃないか!!)
死神は状況の最悪さを改めて理解した。
「さて……ゲームは始まったんだ……『第一の刺客』を送り込むか…勿論…解るよね、誰が目的か」
「待て!!小田!!」
死神の声をかき消すように小田は言った。
「第1ゲーム…スタートだ!!」
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