第一章『始動、黒き森の住人』

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(やはり御剣を狙うのか?……いやどちらにしても御剣には話をしないと…) 死神は動き出す。 ―同刻― すでに【黒き森の住人】は目標を狙って行動していた。 1年A組の教室では話し合いはまだまだ続いていた。 勿論、御剣は暇している、だから黄泉は話しかけた。 「ずいぶん暇そうだネ御剣くん」 「もう係が決まってるからさ」 もっともな答えに納得した黄泉。 先生は誰かに呼ばれて教室を出ていっている。 話し合いがまとまらないのも無理はない。 そんな時……彼らはやってきた。 後ろのドアから入り、歩みを止めず、ある人物の方へ迫る。 教室は静まり返り、全ての視線が、集中する。 髪は銀色で、肩の辺りまで伸び、横から見たら前髪が尖っているようにも見える。 見た所、この学校の制服ではなく、真っ黒いフード付きのコートが全身を覆い、首から上と足首から下だけが見える。 「まさか……俺に…」 御剣は不安をつのらせながら言う。 コートを着た男は何かを投げた。 一瞬にして御剣の背後の窓ガラスが、大きな音をたてて崩れた。 「もうちょっと右だったか…」 「……………………」 御剣は言葉を失った。 一瞬だけ、僅かに見えたのだ…投げられた物が何なのか。 「消しゴム……」 気づけば、黄泉、浜など御剣の周りの者は凍り付いていた。
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