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(やはり御剣を狙うのか?……いやどちらにしても御剣には話をしないと…)
死神は動き出す。
―同刻―
すでに【黒き森の住人】は目標を狙って行動していた。
1年A組の教室では話し合いはまだまだ続いていた。
勿論、御剣は暇している、だから黄泉は話しかけた。
「ずいぶん暇そうだネ御剣くん」
「もう係が決まってるからさ」
もっともな答えに納得した黄泉。
先生は誰かに呼ばれて教室を出ていっている。
話し合いがまとまらないのも無理はない。
そんな時……彼らはやってきた。
後ろのドアから入り、歩みを止めず、ある人物の方へ迫る。
教室は静まり返り、全ての視線が、集中する。
髪は銀色で、肩の辺りまで伸び、横から見たら前髪が尖っているようにも見える。
見た所、この学校の制服ではなく、真っ黒いフード付きのコートが全身を覆い、首から上と足首から下だけが見える。
「まさか……俺に…」
御剣は不安をつのらせながら言う。
コートを着た男は何かを投げた。
一瞬にして御剣の背後の窓ガラスが、大きな音をたてて崩れた。
「もうちょっと右だったか…」
「……………………」
御剣は言葉を失った。
一瞬だけ、僅かに見えたのだ…投げられた物が何なのか。
「消しゴム……」
気づけば、黄泉、浜など御剣の周りの者は凍り付いていた。
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