28人が本棚に入れています
本棚に追加
校内放送がなった。
『【絶望の始まり】は至急、校長室に来て下さい。また、1年A組御剣くんも校長室に来て下さい』
放送が終わる、声からして、校長だった。
「死神……動き出したか」
とコートの男は言う。
御剣にとって、さっきの放送は、救いの手のようにも聞こえた。
同時に、立ち上がる勇気も与える。
その原因は、御剣に目的地が出来た事、よってここから立ち去ることが出来る。
「急がねば……」
コートの男はそう言うと同時に、走り出した。
それに対応するように、御剣も動き出した。
進行方向は教室のドア。
一瞬コートの男を見る、その手には椅子が握られていた。
迷わず……投げた。
椅子は弧など描かず、野球のストレートのように真っ直ぐ、ブレることなく突っ込んでくる。
しかもその速度が尋常ではなく、椅子はもう御剣の目と鼻の先。
「うわああああああ!!」
御剣は思わずしゃがみ込んだ。
ガァァン!!
椅子は黒板にぶち当たり、しゃがみ込んだ御剣に落下する。
頭をガードしていた御剣に、ダメージはあまりなかったが、精神には大きなダメージがあった。
最初のコメントを投稿しよう!