第一章『始動、黒き森の住人』

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御剣は立ち止まれない、だから再び走り出す。 目標のドアまであと三歩程度。 「案外意思が固いんだな…」 コートの男と御剣の距離は10mぐらい、しかし距離をとる事にほとんど意味は無い、何故ならあのコートの男は超強肩、どんな物だろうと超スピードですぐに御剣の所まですっ飛んでくる。 御剣は一度見る。 次は、蛍光灯。 「一体いつ外す時間が!?」 「お前がしゃがんでいる間にだ……」 なんの迷いもなく、蛍光灯は投げられた。 目標は、勿論、御剣に向かって。 御剣は身を守ることより、この教室を脱出することを選んだ。 「おおおッ!!」 まず一歩。 踏み出したと同時に、蛍光灯の先が黒板に当たった。 そして二歩。 次は蛍光灯が破裂した。 破裂した蛍光灯の破片が御剣の頬をかすめたりしても、振り返らず、ただ真っ直ぐドアだけを見た。 三歩。 いよいよ脱出。 そう思っていたが、運は御剣に味方しない。 ドアに手をかけた時、逆にドアが開いた。 「はっ!?」 そこには男が立っている、強肩の男と同じ、コートを着た角刈りの男が。
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