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御剣は立ち止まれない、だから再び走り出す。
目標のドアまであと三歩程度。
「案外意思が固いんだな…」
コートの男と御剣の距離は10mぐらい、しかし距離をとる事にほとんど意味は無い、何故ならあのコートの男は超強肩、どんな物だろうと超スピードですぐに御剣の所まですっ飛んでくる。
御剣は一度見る。
次は、蛍光灯。
「一体いつ外す時間が!?」
「お前がしゃがんでいる間にだ……」
なんの迷いもなく、蛍光灯は投げられた。
目標は、勿論、御剣に向かって。
御剣は身を守ることより、この教室を脱出することを選んだ。
「おおおッ!!」
まず一歩。
踏み出したと同時に、蛍光灯の先が黒板に当たった。
そして二歩。
次は蛍光灯が破裂した。
破裂した蛍光灯の破片が御剣の頬をかすめたりしても、振り返らず、ただ真っ直ぐドアだけを見た。
三歩。
いよいよ脱出。
そう思っていたが、運は御剣に味方しない。
ドアに手をかけた時、逆にドアが開いた。
「はっ!?」
そこには男が立っている、強肩の男と同じ、コートを着た角刈りの男が。
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